地場産業としての陶芸

三田方面から向かうと丹波焼の里の入り口にあたる窯元。広々とした空間が目を引きます。


鎮台窯
 
 鎮台窯4代目・大上和則さんは、「那智黒釉」を創出した紀州焼「葵窯」の茶陶作家・寒川栖豊さんに師事した陶芸家です。「その土地の焼き物を造るということは、その産地のものを材料に使うなど、地場の特徴を活かした作陶を心掛けるべき」という師の教えに影響を受け、「地場産業としての丹波焼」を意識して日々作陶されています。
 そんな和則さんが、10年以上前から着目していたものの、形には出来ていなかった篠山の特産品である「黒枝豆」を使った釉薬。やはり形にしてみたいという思いが高まり、このほど遂に作品として出来あがりました。
 取材に伺った時に、この「黒豆の釉薬」の作り方を実際に見せて頂きました。黒豆の枝、茎、葉っぱなど、捨ててしまう部分を焼いて出来た灰を灰汁抜きして、丁寧に濾し(こし)てから数日間天日干しにすると漸く出来るのだそうです。この黒豆の灰を使って、マットな感じの【黒い抹茶茶碗】をどうしても造ってみたいと考えられていたそうで、その抹茶茶碗も見事に出来あがっており、見せて頂きました。
 器の形は納得がいくまで何度も造り直し、それが出来ると今度は黒豆釉の配合を試行錯誤。そして更に、出したい色が出るまで2度焼きや3度焼きも行ったそうです。苦心と情熱の末に漸く出来あがったいくつかの抹茶茶碗。元々出したかった風合いは出せたそうですが、もっと嬉しかったのは、焼き物最大の魅力ともいうべき偶然の産物で、想像していなかった色合いのものが出来たことだとおっしゃっていました。
 これら抹茶茶碗の他にも、累計千個以上売上げているという「草紋様キャンドル」や、新作の「12星座紋様キャンドル」の作陶風景も見せて頂きました。きめ細かな作業で沢山の星や星座がちりばめられており、見る人の心を引きつけます。中にキャンドルやお香が立てられ、蓋を被せるようにデザインされており、安全性もしっかりと考えられた商品です。キャンドルに火を灯した時に広がる景色を想像すると心躍りますね。女性を中心に高い人気を博しています。
 和則さんに作品を見せて頂いたりお話を伺っていると、「丹波焼」に対する情熱や好奇心がこちらに伝わってきて、この方は本当に「地場産業」としての陶芸のあり方を真剣に考え、取り組んでおられる方なんだなあと肌で感じる事が出来ました。
 鎮台窯さんは三田方面から立杭に入る三本峠の手前に位置し、立地もよく駐車場も広いので、アクセスしやすいのも魅力的です。和則さんのお話を聞きに、また極上の「抹茶茶碗」や人気のキャンドル立てをご覧に是非お立ち寄り下さい。


住所:三田市西相野576 →google mapでみる
電話:079-568-2111
営業時間:9:00~17:00
定休日:不定休
駐車場:有(大型駐車場完備)
ホームページ:http://www.h4.dion.ne.jp/~oz-craft/tanbayaki_1.html


キャンドル・お香立ての作業を見せてもらいました。ひとつひとつ星の穴を空けていく作業はとても繊細で集中力の必要なものでした。

こちらは焼き上がり前の状態。キャンドルを灯して広がる光景を想像して下さい。

現在和則さんが取り組まれている「黒豆釉」の制作を見せてもらいました。枝や葉など黒枝豆の捨ててしまう部分を用いて、黒枝豆の釉薬を使って黒色のお茶碗を作ることを目指し、試行錯誤を続けられています。

上写真で濾した黒枝豆の灰を乾かして、さらさらの状態に。コレを水で溶いて釉薬として用います。一つ一つが手作業による工程を踏まえて作り上げられていきます。

こちらが和則さん会心の作品。目指していた黒色とは違いますが、深みのある藍色が、思わず両手で包み込みたい衝動に駆られます。

これらは和則さんの手によって仕上げられた黒豆釉の茶碗。目指していたマットな質感の黒色の茶碗の他、質感や色味の違いで、同じ黒豆釉でも様々な表情を覗かせています。。

 


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2014-06-26 | Posted in 買えるとこNo Comments »