やきもの畑に咲く1輪の白い花

土を使った陶器とは違い、凛とした透明感が美しい。


幾田晴子
 
 今田町は丹波焼の窯元さんが軒を連ねる陶器のまち。その中で1軒だけ、女性の磁器作家さんがいらっしゃいます。それが今回ご紹介する幾田晴子さんです。800年以上の歴史を誇る陶器の町に細腕一本で単身殴り込み・・・ということではなく、たまたま作陶に適した環境を探している中、偶然に見つかったのが縁で2002年移り住んで来られました。
 横浜出身の幾田さんは短大卒業後、自分でなにか作る道に進みたいと、OL経験を経て日本でも有数の磁器の産地である佐賀県有田市の窯業大学へ。卒業後は有田の地で見習い、ここ今田町で独立されました。形をとる石膏作りから、ガス窯を使った焼成まで、全て一人でされる幾田さん。
 九州から取り寄せた、磁器に適した磁器陶土や有田時代から使い続けている様々な道具など、普段丹波焼に慣れ親しんだ私たちにとっては目にも耳にもする機会が少ないものばかりです。
 窯元通りから離れたところにある小さな工房・ギャラリーには看板もなく商売っ気のない幾田さんですが、制作スタイルは次から次と新しい作風を求めるのではなく、以前の作品を改良し、微調整を繰り返して作り続けることで、ひとつの作風を掘り下げて作陶されています。こまめに寸法を測ったり、調整を繰り返したりする姿には、女性らしいとても丁寧な姿勢と、作品への愛情が感じられます。
 また工房の2階にあるギャラリーでは、赤や青などの鮮やかな色彩を多用する有田焼のイメージとは少し違い、透明感のある白さを活かした形や、染付で描かれた可憐な模様など食器や花器を中心に、女性らしい清楚で凜とした作品を目にし、手にすることができます。
 今田町に紅一点、新しい風を吹かせてくれる磁器作家さん。陶器(土もの)にはない魅力に出会えます。ぜひ一度覗いてみてください。


住所:今田町下小野原747-1 →google mapでみる
電話:079-597-3901
営業時間:訪問の際は事前にご連絡ください。
定休日:不定休
駐車場:あり(約1台)

飾り気のない人柄が魅力的な幾田晴子さん。

制作する器のサイズを計る「とんぼ」と呼ばれる道具。目印にピンクの輪ゴムを使うあたりに、女性らしさを感じさせてくれます。

学校時代から使い続ける道具には「いくたせいこ」と名前が。

可塑性の高い磁器ならではの造形も。エッジが効いてキリッとした雰囲気に。

鉄釉で縁取りをした花型のリム皿。パスタなど洋食を盛り付けると映えること間違いなし。

 


Share on Facebook43Tweet about this on TwitterShare on Google+0Pin on Pinterest0Share on Tumblr0Share on LinkedIn0
2015-01-22 | Posted in 買えるとこNo Comments »