植木鉢ラボラトリー

工房奥に無造作に並べられた伝市鉢。目当てにやってきたお客さんはここから選んでいくそう。楽しい楽しい時間。


市野伝市窯
 
 植木鉢はただの飾りではない。草花がしっかりと根を伸ばし育つ為に必要な場所。こちらは、およそ半世紀にわたり研究を重ね、丹波焼では珍しくなった植木鉢を専門に作っておられる市野伝市窯さんです。
 作業場に入ると植木鉢専門の窯元さんらしく、ずらーっと並んだ植木鉢が目に飛び込んできます。これだけの種類、これだけの大きさがあるのかと驚かされます。作業場の右奥にはろくろの前に座る市野伝市さんとその息子さんである市野達也さんの姿。植木鉢といえば、普通よく目にするのはホームセンター等で販売しているもの。売場をちょっと想像してみると、それらは大きさの違いはありますが、バリエーションはそれほどないように思います。しかし、よくよく考えてみるとその中に植わる草花の種類は多岐に渡り、またそれぞれ個性が異なります。草花を育てた事がある方ならご存じだと思いますが、草花の種類によってうまく育ちやすいものと育ちにくい(栽培が難しい)ものがあります。そこに着目したのが伝市窯さん。素人目にはその違いを見極めることは難しいですが、微妙な形状の違いや細部の工夫によって草花の育ちかたが全く違ってきます。例えば、鉢の大きさ。草花の種類によって根の張り方が違うので、根の張り方に合った植木鉢を使うほうがのびやかに育ちます。それ以外にも、鉢の厚さ、用いる土の種類(水の吸水性、熱の伝導性)、鉢自体の形状にも工夫がされており、一言に鉢といってもそれを作りあげるさまざまな要素への細やかな気配りが草花の育成には大切だそうです。
 目を引く派手さはないものの、あらん限りの情熱がそそがれた植木鉢。長い間培ってきた信頼もあり、山野草を育てる愛好家の間では「伝市鉢」と言えば、知らない人はいないほどの逸品です。最近では、サボテン等の多肉植物用の鉢も作成しているので若い女性方にも人気だそうです。
 草花を始めてみようと思っている方、部屋に少し緑が欲しいと考えている方。一度市野伝市窯に足を運んでみて下さい。


住所:篠山市今田町上立杭488 →google mapでみる
電話:079-597-2413
定休日:不定休
駐車場:市野伝市窯さんの上側(自宅の駐車場2台分)

親子二代、並んで作業をする伝市さんと達也さん。手元から視線を少し上げると、窓越しに見える虚空蔵山。

息子の達也さんの轆轤作業。伝市窯さんでは昔ながらのひもづくりという手法で作られています。

左側がガス窯で焼かれた植木鉢、右側が登窯で焼かれた植木鉢。同じ土、同じ手法で作られた鉢でも、これだけ表情が異なります。

お父さんの伝市さんが唐草文や菊の模様が施された装飾鉢を制作中。指とシンプルな道具、色使いで施された装飾からは田一さんの揺ぎない自身が伺えます。

伝市鉢として販売される植木鉢にはこの「伝」の印が押されます。伝印の伝市鉢です。

シトシト雨にそぼぬれ、みずみずしい色を見せてくれた植物たち。この表情も伝市鉢という最高の住環境があってこそ。

 


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2014-07-24 | Posted in 買えるとこNo Comments »