昔から続く丼家業

窓際に並ぶ汽車土瓶。背後の山の景色と相まって、旅情掻き立てられます。


山五陶勝窯
 
 立杭の道路沿いからひときわ真新しい木枝貼りが目立つ店舗があります。山五陶勝窯さんです。
 2014年9月15日に、古き良きものは残しつつ店舗をリニューアルされました。店内を飾る作品も、山五陶勝窯の古くからの定番作品から6代目市野勝さんの作品、7代目勝磯(かつき)さんの新作までが並びます。昔から丼屋やうどん・そば屋に食器を卸すことが多かったことから、工房には多くの種類の丼鉢の型が並び、こちらで作ることができない丼鉢はないのではないかと思うくらいのバリーエーションの多さに驚きます。店舗だけではなく、家庭用として家族一人一人に用途に合った丼鉢を揃えることもできるでしょう。また工房の中には、それらを大量に且つ効率良く作ることができるよう、機械ろくろや、大量の丼鉢を焼くことができる大きなガス窯があり、注文に応じ大量生産していた時代を伺い知ることができます。
 勝磯さんの作品は、炭で燻しながら焼くことで、炭素が土肌に色をつける炭化焼成という技法を用いた、素朴で落ち着いた雰囲気の作品が多いのが特徴です。「器」だけで目立つのではなく、そこに何か料理などの盛り付けが加わって初めて完成するようにと意識されて制作された器たちは、盛り付けやすく、合わせやすく、器と料理が互いに引き立たせ合う姿が想像できます。料理店で取り扱われることが多いのは、そういったところに理由があるのかもしれません。
 また、素朴な仕上がりの中にもひと手間ふた手間も加えられており、お皿を作る薄い土も、普通は伸ばして均等に切り揃えてから使いますが、勝磯さんは自然な土味を活かすために、あえて整えず使われることもあります。また化粧を施す際も、バケツにじゃぼんと漬けたり、ひしゃくで流し掛けるのではなく、水で溶いた化粧土を少しずつスポンジでたたいて濃淡をつけながら塗付していきます。勝磯さんも、土味を活かした素朴で自然な作風が自分に合っているのだと、優しい物腰で話されます。
 最近、今ではどこの窯元でも作らなくなった「汽車茶瓶」を復刻。古き良きものを勝磯さんらしくアレンジされたこれらの「汽車茶瓶」は、いま人気の作品です。
 さらに勝磯さんは陶芸教室にも力を入れられており、毎月第1土曜日に開催されています。生徒数も多く、教室の生徒さんだけの展覧会も催されたり、生徒さんの作品集も制作するなど「生徒さんならきっと嬉しいだろうな」と思える内容になっています。
 いつもの料理をぐんと引き立ててくれる使い易すい器を求めに、また熱のこもった陶芸教室に、ぜひ山五陶勝窯へお越しください。


住所:篠山市今田町上立杭2 →google mapでみる
電話:079-597-3050
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休
駐車場:あり(約20台)
ウェブサイト:http://www.eonet.ne.jp/~toukatsu/index.html

県道292号線沿いを走ると、道沿いに真新しい板張りの建物が。よく見るとその上の鉄柵が陶器の形状に…

店内は自然光がよく入る明るい空間に。

勝磯さんだけでなく、父勝さんの作品も展示・購入できます。

スポンジで化粧土を塗布する作業中の勝磯さん。穏やかな性格の勝磯さんは「こういう作業が自分に合っている」と語ります。

素焼きされた様々な丼鉢たち。

半円形にぐるっと回る大きなベルトコンベア。その上にはずらりと並ぶ丼鉢用の型。昔は大勢の職人さんの手で流れ作業的に作られていたのだとか。

長年の念願だった店舗改修を終えた陶勝窯さんに是非足をお運びください。

一般のお客さんは入れませんが、裏池に面した「夢舞台」は自然に囲まれた素晴らしい空間。陶芸教室の生徒さんになると、こちらを楽しむこともできます。

 


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2014-11-14 | Posted in 買えるとこNo Comments »