いつでも最高のパフォーマンスを

寿庵さんを代表する、釉薬で模様を描いた器のシリーズ。この技術は非常に難しいものだそうです。


寿庵
 
 地元の土にこだわり、昔ながらのやり方でやきものを焼くことにこだわる。丹波焼の窯元の1つに「寿庵(じゅあん)」があります。窯主は市野良行(よしゆき)さんです。
 趣味は何ですか?と尋ねると「陶芸です。」と答える良行さん。作品作りの行程ではできるだけ機械に頼らずに、自分の手で作り上げることにこだわり、手間も時間もかかるけれども、自分の納得のいく形、仕上がりを大切にしておられます。また陶土に対する想いも強く、同じ場所で採れた土でも少しづつ個性が違うため、それを見極め、どうすれば自分の理想とする作品に仕上げることができるかを模索することが大切だと、その想いを語られます。
 釉薬に関しても、いくつものテストピースを作って、納得できる美しい色を出すことに心血をそそがれています。最近では、市販の土や釉薬が電話一本、1クリックで手に入り、手順さえ守ればそれなりの作品に仕上がります。しかし一昔前は、近隣で採れる土に自家製の釉薬、といった毎回違った、いわば安定しない環境で作陶しなければなりませんでした。昔に比べたら非常に恵まれた環境とはいえ、自然が相手のこの仕事では、いかなる状況でも対応できる知識や経験が不可欠だと良行さんは言います。
 今回取材時には、山土を精製していく作業を見せて頂きました。大きなバケツには沢山の泥が入っており、重さは約20キロあります。それを柄杓ですくい、ふるいにかけてきめの細かい陶土の素へと精製していきます。素人目に見ると、精製前の泥も十分きめ細かく均一な泥に見えますが、良行さんは泥をすくいあげて「ほら、こんな風に土の塊がまだ残っているでしょう。」と。見ると、それはミリ単位の塊ですが、焼けムラやその他の原因になってしまうそうです。1つのバケツをこすのに約1時間30分。とても地味で単調で時間のかかる作業ですが、こうして手を加えることが良い作品につながり、ひいてはお客様の満足につながるのだと感じました。
 そうした想いで作られた様々な作品の中で一際目をひいたのが、釉薬そのもので装飾が施されたデザインのものです。寿庵さんを代表するこちらの作品は躍動感が感じられ、生地と釉薬のコントラスト、質感のバランスがなんともいえない、家庭に揃えたくなる作品でした。 
 日々土と向き合い、どのような環境でも最高のパフォーマンスができるように模索する毎日。気になった方は、是非「寿庵」へ足をお運び下さい。


住所:篠山市今田町上立杭5 →google mapでみる
電話:079-597-2641
営業時間:9:00~17:00
定休日:不定休(お越しの際はお電話下さい)
駐車場:あり(約3台)

丹波らしい赤茶褐色の素地とのコントラスト美しい釉薬。この色を出すために幾通りものテストピースを試されているそうです。

脚付き楕円皿の制作風景。昔作った徳利を乾燥台に。こういう工夫も日々の賜物です。

工房では奥さんが手伝うことも。旦那さんに負けず劣らずの美意識の持ち主です。

土漉し作業の様子。目の細かいふるいを使って丁寧に濾していきます。

同じ姿勢で、一定のリズムで、指先に神経を集中して、単調な作業ですが、根気と新年のいる作業です。

道から少し小高い場所に立地する寿庵さん。見落とさないように目を向けていると、看板と大きな壺が幾つも並んだ窯元さんが目に留まります。

 


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2014-12-19 | Posted in 買えるとこNo Comments »