10年、そして100年先の丹波焼を見据えて。

「やけてかたまれ」俊彦窯さんには4機の薪窯があります。その内最も大きい窯の焚き口に掲げられた言葉。


俊彦窯
 
 今回ご紹介するのは清水俊彦さんと清水剛(たけし)さんのお二人で作陶されている俊彦窯さんです。丹波焼を代表とする装飾技法となっている「しのぎ」や「面取り」という技法は俊彦さんの師匠である生田和孝氏が得意とした技法で、その後俊彦さんが継承することで丹波焼の新たな伝統として広く用いられるようになりました。実際に「面取り」と「しのぎ」の技法を見せて頂いたのですが、面取りは、なんと一般的な料理包丁で器用にされており驚かされました。しのぎは鉋(かんな)で削っていくのですが、一周してぴったりの位置で終わるように削っていき熟練された技に圧倒されます。
 俊彦さんの息子、剛さんは俊彦さんから良き伝統を受け継ぎ、また「丹波焼とは何か?」と常に自問自答され新たな作品に日々挑戦されています。丹波焼の歴史に深く精通し、江戸時代初期頃からの丹波焼に特段の興味をもたれています。その昔、大きな壷などを作るとき、下から上まで一気にろくろでひくことはできない為、いくつかのパーツを繋ぎ合わせて成形していました。そのつなぎ目をしっかりひっつけるためにつけられた「猫掻紋」と呼ばれるひっかき傷から、剛さん独特の「刻紋」と呼ばれるデザインを生み出したなど様々なお話をして頂きました。また、丹波焼は実は釉薬を使うのが一番丹波の土に合っていると、日々の経験や知識から感じており、釉薬の調合にも力を入れておられます。
 剛さんのオリジナル作品の1つである「泥彩(でいさい)」と呼ばれる作品の行程の一部を見せて頂きました。これは油絵で用いるペインティングナイフで絵の具を厚く盛り上げるように、化粧土を器の表面に厚く盛り上げて塗っていきます。これは、学生時代にヒントを得て考案したそうです。
 10年後、また100年後、世間は「丹波焼」という名前に対してどのようなイメージを抱くものとなっているのか?そういった事を常に考えながら試行錯誤し、日進月歩する毎日。俊彦窯へ是非お越し下さいませ。


住所:篠山市今田町上立杭396 →google mapでみる
電話:079-597-2647
定休日:不定休
駐車場:あり(上立杭公営駐車場・工房より徒歩3分)

伝統工芸士でもある俊彦さんは、鎬や面取りといった技法の名手。面取りの作業には錆びた万能包丁を使います。

使い込まれた道具は、ただそこにあるだけで画になります。

乾燥中の小さい蓋物。俊彦さんの鎬の装飾が施されています。

剛さんの代表的な作風の一つ「泥彩」の作業風景。油絵で使用するテンペラを使って、化粧土を塗りつけていきます。

剛さんのもう一つの代表的な作風「刻紋」の作品。古丹波に見られる猫掻きという櫛目の跡から着想を得たそうです。

工房の上にあるギャラリースペースでは、俊彦さんと剛さんお二人の一点ものの作品がズラリと並びます。

工房前にて。似ているような似ていないようなお二人です。

工房に差し込む光が、作品にさらなる表情を与えてくれます。

 


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2014-10-31 | Posted in 買えるとこNo Comments »