丹波の茶陶

祥公窯2代目の伸一さんと奥様の美歩さんは同じ作業場で仕事をされています。


祥公窯

 祥公窯さんは丹波焼の窯元さんには珍しいお茶道具を専門とした窯元さんです。以前は日用雑器も扱っていましたが、父 杉原祥公さんの代から窯の名前を改め、本格的にお茶道具専門の窯元さんとして舵を切られました。
お茶道具を専門に扱うということは、ただ茶器を作ればよいというわけではなく、実際に茶道を学ばなければなりません。
掛け軸、お花、作法、おもてなし全てが揃って茶道と言われ、祥公窯さんには専用茶室も設けられています。その茶室の横に設けられた父 祥公さんのギャラリーには、茶碗、水差しなど様々な茶道具が並び、商品のレイアウトや、活けられる花などは季節に合わせて入れ替えられます。取材にお邪魔した日は、真夏日でギャラリーにはつららを模した一輪ざしが壁に掛けられ、少しでも涼を感じてもらえるようにという、祥公さんの粋なおもてなしの気持ちが表れています。
 今も尚、勉強熱心で好奇心旺盛な祥公さんを、息子の伸一さんはとても尊敬されています。その父親ゆずりのひた向きな姿勢はしっかり引き継がれており、お茶会や美術館などに出向き日々作品のアイディアを研究されています。「品」の中にも遊び心を感じさせる作品もあり、茶器に加えて懐石で用いられる向付け等も多く作られています。将来は全て自分の器でそろえたお茶事(懐石を伴った茶席)をすることが目標だとおっしゃいます。
 そして、祥公窯さんにもはもう一人女性の陶工さんがいらっしゃいます。伸一さんの奥様美歩さんです。窯元の奥様がご主人の作業を手伝われ姿はよく見かけますが、元々陶芸家として活動されていた美歩さんは、結婚後も女流陶工としてご自身の作品づくりに励まれています。使う土も違い、作風もまるで異なるお二人ですがお互いに「僕には(私には)できない」と尊重し合いながら、さすがは夫婦、良き相談相手として同姓の親子兄弟とはまた違う、いい関係でモノ作りができるそうです。どこかヨーロッパのアンティークのような佇まいを感じる美歩さんの作品は日常づかいの器が中心ですが、ティーポットやティーカップ、さらにはアフタヌーンティーセット(イギリスの喫茶習慣で用いられる茶器)なども手掛けておられ、祥公窯に異国の新たなお茶の風を感じることができます。
 和と洋のお茶の伝統に適う、茶器専門の窯元さんを是非一度覗いてみてください。


住所:篠山市今田町下立杭41 →google mapでみる
電話:079-597-2408
営業時間:9時~17時
定休日:不定休

印花という技法で装飾を施す伸一さん。大小様々なお手製の「印花」で器面を飾っていきます。

茶陶の代表格のお茶碗。勢い良く描かれた刷毛目と呼継のような装飾が面白い一品です。

主に和食の料理屋さんで重宝される手付き鉢ですが、お菓子入れに使ったり、使い手の発想力に驚かされることもあるそうです。

蓮の葉を模した小皿は、虫食い穴や葉の欠けなど、ディテールまで美意識が行き届いた作品。

印花の技法で作られた水差し。売る水の蓋が添えられ、一層古格を感じます。

伸一さんとは全く異なる作風の美歩さん。女性らしいペールトーンと、どこかヨーロピアンアンティークな雰囲気をまとっています。

女性らしい優しい色合いと、緩急の効いたフォルムが美しい水差し。

女性らしい細やかでかつ華のある器形が特徴的です。丹波焼には中々ないスタイルではないでしょうか。

洋菓子が似合う、ちょっと特別なティータイムに使いたいお皿。

茶陶専門の窯元さんらしく、祥公窯さんの敷地内には草庵茶室が設えられており、普段はお父様の祥公さんの作品展示室となっています。

祥公さんの作品はどれも凛とした格式高い雰囲気をまとっています。

 


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2015-09-19 | Posted in 買えるとこNo Comments »