ビードロに魅せられた職人さん

立派な登り窯を持つやまき窯さんでは、焼締作品も多数目にすることができます。こちらは重要文化財の菊花紋を模した作品。


丹波やまき窯

 丹波やまき窯の10代目にあたる大上喜仁さんは、高校を卒業後、家業を継ぐ為に奈良芸術短期大学に入学し、陶芸の基礎を学ばれました。学生時代は時間があれば、お寺や博物館に足をのばし、縄文土器や弥生土器、須恵器など歴史的な陶器を沢山見て回られたそうで、その後の作陶に影響を受けたそうです。卒業後は四国を代表する焼き物の1つ、徳島の大谷焼の窯元に住み込みで修業され、特に雑器や酒器、食器類の作り方を中心に勉強されたそうです。
 そんな喜仁さんが丹波に戻られてから約40年、修業先での経験を元に、形とデザインが引き立て合うようバランスのとれた器を意識し、リーズナブルで使いやすく、飽きのこない食器類を数多く手掛けてこられました。また喜仁さんの作陶姿勢の背景には、祖父の教えである「土を殺して土を活かす」という一見相反するような格言があるそうです。この格言には、土を殺す、すなわち土を押さえてならすことによってろくろ形成をしやすくし、丹波の土味を活かした作品づくりをしなさいという深い意味が込められており、その教えを守りながら、理想とする「生活芸術としての器」を作るべく、日々作陶と向き合われています。
 作品にはシンプルなコーヒーカップやソーサー、食器やとっくり、花器、可愛らしいキャンドル立てに大きな甕や鉢など、バリエーション豊かな生活陶器がある一方で、「還元焼成」された作品にも目を奪われます。還元焼成というのは、登窯で酸素を送り込まないよう燻すように焼成する方法で、この還元焼成された喜仁さんの作品は、美しいフォルムもさることながら、くすみがかったようなマットな色合いに、自然釉がビードロ状に流れ落ちた何とも言えない素晴らしい作品です。これらは、昔に見た古丹波のビートロ釉の美しさに魅了された喜仁さんのお気に入りの作品でもあります。
 丹波やまき窯さんは、上立杭の窯元が並ぶメインストリートから少し西に入った所に位置します。還元焼成された至極の作品をご覧に、また使いやすく飽きのこない「生活芸術としての器」をお求めに是非一度足をお運びください。


住所:篠山市今田町上立杭491 →google mapでみる
電話:079-597-2665
営業時間:9時~17時
定休日:不定休
駐車場:5台

いわゆるビードロと呼ばれる、緑色に輝く自然釉の美しい作品も。

喜仁さんは昔ながらの職人という佇まいの寡黙な方です。

縄文のような装飾が印象的な徳利。昔見た古の焼きものが原点にあります。

色とりどり、あじさいを模した小皿。

お父様の作品も含まれていますが、徳利類も充実しています。

縄文のような装飾の湯呑みと、金彩を施した綺羅びやか土瓶。こういった生活に根ざした芸術作品を意識したものも。

少し奥まった場所にあるやまき窯さん。トタン屋根の家屋が陶郷への旅情をかきたてます。


Share on Facebook0Tweet about this on TwitterShare on Google+0Pin on Pinterest0Share on Tumblr0Share on LinkedIn0
2016-01-30 | Posted in 買えるとこNo Comments »