ストイックな陶芸家

登り窯で焼成した作品の窯出し作業を見学させていただきました。手間ひまかけた作品を手に真剣な眼差しを向ける一也さん。


のぼり窯

 窯元「のぼり窯」の10代目にあたる清水一也さんは、世界的にも有名な備前焼の陶芸家・隠崎隆一氏に師事した陶芸家です。高校を卒業したら家業を継ぐと決めていた一也さんは、自分の好みに合った作品を手掛けている方の下で修業をしたいと、隠崎氏のもとに何度も通い、弟子入りされたそうです。師匠からの「ハングリーであれ」という教えの元、雑用をこなしながら師匠の技を盗む日々が続いたそうです。小さい時から大好きな野球で培われた精神力や忍耐力もあって、約5年間の修業はつらいと思ったことがないそうです。そんな一也さんが丹波に戻られたのは今から約20年前。ハングリー精神を忘れることなく、師匠のようにろくろが巧くなりたいという一心で、何度も何度も練習し、腱鞘炎を起こして2度と作陶が出来ないかもしれない状態にまで至ったことがあったほど作陶に打ち込まれてきました。
 修業先の備前焼の影響か、はたまた代々受け継がれた「のぼり窯」に脈々と流れるDNAなのか、一也さんは、登り窯で焼成し焼上がりの色目にこだわった「焼締めの作品」がお好きで、最近は食器ではなく花器を中心につくられているそうです。「修業時代の備前焼の教えに最も影響を受けているんじゃないかと思います」と話されるように、登り窯での焼成時には通常の2倍もの薪を使用することで、自然釉が流れ落ちる風合いを狙った代表的な作品「黒丹波」シリーズをはじめ、丹波の土味を活かした鮮やかな赤い焼上がりの作品を多数手掛けておられます。特に黒丹波シリーズはシックな色合いが何とも言えないかっこよさを醸し出しており、年配の方や花道を習われている方を中心に人気があるそうです。
 和也さんのお話の中で、「一生懸命に苦労して作り上げた作品だからこそ価値があると思います。ですから僕は簡単に人には教えないし、逆に教えて貰おうとは思いません。失礼ですから」という言葉が印象的で、師匠からの「ハングリーであれ」という教えを胸に、日々向上心を忘れない一也さんの姿勢を見て取ることができました。
 のぼり窯さんの作品は本店の他、陶の郷近くの東店でもご覧いただけます。もちろん至極の焼締め作品だけではなく、リーズナブルで素敵な食器類も豊富に取り揃えておられますので、是非一度作品をご覧に足をお運びください。


住所:〈本店〉〒669-2135 篠山市今田町上立杭365 →google mapでみる 〈東店〉〒669-2135 篠山市今田町上立杭365 →google mapでみる
電話:〈本店〉079-597-3117 〈東店〉079-597-3366
営業時間:9時~16時
定休日:年中無休(不定休)
駐車場:〈本店〉50台 〈東店〉10台

力強いフォルムが、登り窯で焼成した焼締の表情をまとうことでさらなる高みへ。

窯元名の由来となったのぼり窯さんの「登り窯」。

壁面に記された窯元名は遠くからでもよく見えます。これを目印にお越しください。

一点ものの作品の他にも日常使いの食器類が所狭しと並ぶギャラリーは、訪れただけで楽しめるはずです。

2016年の干支である猿の置物。その凛々しい顔立ちがどこか一也さんに似ています。

現在最も力を入れている「黒丹波」シリーズの作品。フォルムを大切にするという作風も頷けます。

一言で「黒」と言っても、そこには無限の広がりを見ることができます。

陶の郷のお隣にあるのぼり窯東店の駐車場からみた本店。


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2015-12-19 | Posted in 買えるとこNo Comments »