オリジナリティ溢れる作家さん

スポンジで塗布された化粧土が創りだす独特のテクスチャが美しい光の表情を生み出します。


珀耀窯

 清水一二さんは、大理石のような独特な肌あいとパステルトーンの上品な色合いが作風の陶芸家です。親類にあたる丹波焼の窯元「のぼり窯」で長い間作陶されていましたが、今から約11年前に珀耀窯を立ち上げられました。日頃から全国津々浦々の陶芸作品に目を向けていた一二さんは、多様な作品に秘められた「陶芸の可能性」に魅せられたことで、一人の陶芸家として自由な発想で作品づくりをする決意をされたそうです。工房にお邪魔した時に、一二さんを代表する装飾の1つ金彩を施す作業を見せて頂きました。金を混ぜた溶剤を細い筆につけ、下書きに沿ってフリーハンドで慎重に描かれていました。「私は専門的に絵画を習ったことがないので、模様や線を使って装飾しています。金彩自体は他の産地ではよく目にする技法です。高温で本焼した器に金彩を施し、低温焼きを繰り返すことで金を器に馴染ませていかないと、熱に弱い金は無くなってしまうんです。」と装飾について話して下さいました。珀耀窯さんの作品は金彩の他にも、ピンクやブルーなどの顔料が塗布された明るい色目のコーヒーカップやぐい呑み、器があります。いずれの作品も化粧土をコンプレッサーで吹きつけて、独特な質感を器肌に加える吹泥(すいでい)という独自の技法を用いられており、いまや珀耀窯さんの代名詞となっています。お話を伺う中で最も興味を持ったのは、一二さんのこだわり。作品を作る際、最も重要視されているのが「フォルムの美しさ」だということでした。
 一見しただけではどれもきれいな曲線を描いた作品に見えますが、10年前に作った器をご覧になって「当時にしてはこれが上出来だったのだと思いますが、今見るとフォルムが甘いですね。」と振り返っておられたのが印象的でした。長い作陶生活の基板にあるのはまぎれもなく丹波焼なのですが、少し発想を変えるだけでここまで「らしさ」を作品に出せることに驚きました。また一二さんは、公募展の中でもハードルの高い「伝統工芸展」に毎年出品されており、入選することが一番のモチベーションになっているそうです。
 現在50代半ばの一二さんは、新しいことにチャレンジすることよりも、今まで磨いてきた技術をもっと習熟させていくことに注力されており、「若く才能のある人達は沢山います、勿論丹波にも。でも追い越されないように頑張ります」と語られていました。
 丹波焼に新たな風を吹き込む珀耀窯さんの作品をご覧に是非足をお運びください。年に2回は個展を開かれているので、そちらにも注目して頂きたいです。


住所:篠山市今田町上立杭393 →google mapでみる
電話:079-597-2651
営業時間:9時~17時
定休日:基本的に年中無休(不定休)
駐車場:あり(公文今田教室と併用、要連絡)

取材時には絵付けの作業を披露してくださいました。

乳鉢に調合した青色に発色するオリジナルの釉薬。細い筆先に釉薬を付け、繊細な作業に入っていきます。

赤ペン(マッキーの極細)で描いた下絵に沿って釉薬を置いていきます。一瞬も気の抜けない繊細な作業です。

上品な色使いに流麗なフォルム、そこに描かれた繊細な模様が美しいコーヒーカップたち。

こちらの作品は線彫りした線に釉薬を描きこむという、また一手間加わった美しさが感じられる作品。

一二さんご自身がおっしゃるように、小さいものから大きい物まですべての作品が、美しいフォルム(形状)を意識されています。

酒盃もいろいろ。一つとして同じものはありません。

静謐で清潔感のあるギャラリースペースでは過去の作品から現在の代表作まで見ることができます。


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2015-09-26 | Posted in 買えるとこNo Comments »